JA:Relation:restriction

restriction
説明
進行方向制限を表現するためのタグとメンバーのセットに使われます。 
グループ: JA:制限
メンバー
  • - from
  • - to
  • - via
  • - location_hint
状態:使用中


交差点での進行方向制限は進行方向制限の種類を示すタグのセットを含むリレーションによって表されます。この進行方向制限のリレーションは右左折の制限に限らず、直進のみ許可されているという場合でも使うことができます。バスゲートの Tag:barrier=bus_trap を代替する、1つの例として進行方向制限リレーションを使うことが挙げられます。交差点において一方から他方への流入をバスを除いて制限するという表現も可能です。

進行方向制限を作るときに考慮する必要がある、いくつかの重要なことがあります。

  • 複数の進行方向制限のある交差点では、それぞれ別々のリレーションで表してもかまいません。
  • 一方通行との交差点では右左折の制限を表現しません。どちらに曲がるかは常識的にわかります。
  • タイプやキーが restriction:foot でない限り、進行方向制限は歩行者には適用されません。
  • ある進行方向制限がその地域における標準であり、かつ標識がない場合は、マッピングしないでください。経路検索エンジンが地域の交通ルールを内蔵したほうが、すべての進行方向制限をマッピングするよりもはるかに良いです。これは特に、ブラジルの標識で示されていないUターン制限にも当てはまります。数百、数千の進行方向制限を、細かい区間のすべての道路に適用するのは困難です。

タグ

キー 説明
typerestriction進行方向制限のリレーションを示します
restrictionno_right_turn / no_left_turn / no_u_turn / no_straight_on / only_right_turn / only_left_turn / only_u_turn / only_straight_on / no_entry / no_exit 最初に「no_」が付くと「from」メンバーから「to」メンバーへの通行が不可能なことを意味します。もし「only_」が付いていると「from」メンバーから「to」メンバーに至る通行のみが可能であることを意味します。この違いはこのページの 例のセクション でも示されています。
restriction:hgv, restriction:caravan, restriction:motorcar, restriction:bus, restriction:agricultural, restriction:motorcycle, restriction:bicycle, restriction:hazmat no_right_turn / no_left_turn / no_u_turn / no_straight_on / only_right_turn / only_left_turn / only_u_turn / only_straight_on / no_entry / no_exit 制限が特定の車両の種類のみに適用されることを指します。
exceptpsv / bicycle / hgv / motorcar / emergency制限の対象外となる車両の種類を指します (複数の場合: except=bicycle;psv)
restriction[:<transportation mode>]:conditional <restriction-value> @ <condition>[;<restriction-value> @ <condition> ...] 時間などの特定の条件の下にのみ存在する制限。制限値は、上記に列挙されたものから選択する。(例: no_right_turn) セミコロンで区切ることで複数の値(条件値を含む)を記述することができます。 詳細は 条件付き制限 を参照
typerestriction:hgv / restriction:caravan / restriction:motorcar / restriction:bus / restriction:agricultural / restriction:bicycle / restriction:hazmattype=restriction タグを置き換えることで、制限が特定の種類の車両に適用されることを指します。
これは type=restriction + restriction:*=* の代わりに、restriction=* と一緒に使います。[1]

2020年11月時点で、このスタイルは86回使われていますが、type=restriction + restriction:*=* スタイルは11500回使われています。

day_on曜日たとえば、平日の朝ラッシュ時に右折禁止となる場合は day_on=Monday;day_off=Friday;hour_on=07:30;hour_off=09:30 になります。
day_off曜日
hour_on時刻
hour_off時刻

メンバー

ウェイやノード ロール 個数 説明
from 1

1 かそれ以上

制限が始まるところのウェイ。(たとえば、ここから右折禁止)[2] no_entry の制限には 1つ以上の from メンバーがあり、他のすべての制限にはちょうど 1つの from があります。
to 1

1 かそれ以上

制限が終わるところのウェイ。[2] no_exit の制限には 1つ以上の to メンバーがあり、他のすべての制限にはちょうど 1つの to があります。

via ノード: 1つのノード

ウェイ: 1つかそれ以上のウェイ

via メンバーは許可や禁止の制限を表している、始まりと終わりのウェイを接続します。左に示すように、通行制限の via ロールには (i) 1つのノードまたは (ii) 1つ以上のウェイのどちらかがあります。

終点までのノードやウェイで進行方向制限がされていなかった場合、人はそれを越えて進んでいくでしょう。 - ちょうど2つの道路でできた簡単な交差点、もしくは車道と / または小さな道がつながる 2つの道路上で via がノードになるところでは、乗り越えられない中央分離帯のことを考える必要があります[3]

location_hint 0 または 1 進行方向制限の記号を示すのに最適かもしれない場所について レンダラ にヒントを伝えます。たとえば、東/西/南/北で道路が交差して、南から東に曲がれないところでは、ノードを交差点の南東に置くことでそこに右折禁止の記号を描画します。 location_hintは確固たる検証が不可能(かつレンダラのためのタグ付け)であるため、非推奨です。今後使用するべきではありません。

道路標識

US MUTCD の記号番号は括弧内に与えられています。これらの道路標識は国によってわずかな違いがあります。世界中の進行方向制限標識の画像は Wikimedia Commons で見つけることができます。

注意: エディタに表示される制限の標識は当局によるものではありません。タグ付けを表示に依存させてはいけません。たとえば、JOSM の no_right_turn はたとえ左折不可能であっても標識 2a(直進と左折に限る)が表示されます。リレーションメンバーと進行方向制限の値は重要です。

標識 制限 記事 標識 制限 記事
1a restriction=no_left_turn ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ロシア、ウクライナ、ルーマニア(右側通行の場合、同時にUターンを制限) 1b restriction=no_left_turn オーストラリア、ブラジル、フランス、アイルランド、フィリピン、ポーランド、ロシア、スペイン、スイス、英国、ウクライナ、米国(R3-2、Uターン禁止と組み合わさったR3-18)
2a restriction=no_right_turn ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ロシア、ウクライナ、ルーマニア(左側通行の場合、同時にUターンを制限) 2b restriction=no_right_turn オーストラリア、ブラジル、フランス、アイルランド、フィリピン、ポーランド、ロシア、スペイン、スイス、英国、ウクライナ、米国(R3-1)
3a restriction=no_straight_on ドイツ、イスラエル、日本、オランダ[4]、ポーランド、ロシア、スイス、ウクライナ 3b restriction=no_straight_on ブラジル、米国(英国とフランスはこの標識を使う予定はないようです。通常、このような状況では進入禁止の標識に直面したり、双方向で先で左折専用や右折専用の表示がある場合があります)。以前はアイルランドで使われていました
4a restriction=no_u_turn ブラジル、フランス、ドイツ、イスラエル、日本、オランダ、フィリピン、ポーランド、スペイン、スイス、ロシア、ウクライナ、米国(R3-4) 4b restriction=no_u_turn オーストラリア、英国
5a restriction=only_right_turn 通常、交差点の入口にあります。

米国で白い長方形の標識は、このような状況と複数車線上の1つの車線が曲がらなくてはならない場合に使われます。(R3-5R)

フィリピンでは、主に交差点の前、時に交差点の中で使われ、独立した青い円形で白い矢印の標識、または白い長方形の上に青い円と文字でふつう「ALL TRAFFIC」と書かれている標識です。

ウクライナ(交差点の前)。

5b restriction=only_right_turn 通常、交差点にあります。

米国で白い長方形の標識は、このような状況と複数車線上の1つの車線が曲がらなくてはならない場合に使われます。(R3-5R)

フィリピンでは、主に一方通行道路の交差点で使われ、独立した青い円形で白い矢印の標識、または白い長方形の上に青い円と文字で「ONE WAY」と書かれている標識です。

6a restriction=only_left_turn[5] 通常、交差点の入口にあります。

米国で白い長方形の標識は、このような状況と複数車線上の1つの車線が曲がらなくてはならない場合に使われます。(R3-5L)

ウクライナ(交差点の前)

6b restriction=only_left_turn 通常、交差点にあります。

米国で白い長方形の標識は、このような状況と複数車線上の1つの車線が曲がらなくてはならない場合に使われます。(R3-5L)

7 restriction=only_straight_on ウクライナ、英国、ロシアで使われます。通常、交差点の前や交差点の入口にあります。

米国で白い四角に「NO TURNS」と書かれています(R3-3、R3-5a は通常、複数車線上の1つの車線が転回しなくてはならない場合に使われます)

8 restriction=no_entry 一方通行以外の道路の場合、その地点( via ロールのメンバーノード)からの進入が禁止されている場所に使われます。リレーションは複数の from メンバー[2] と 1つの to メンバーを持てます。

ウクライナでは、一方通行とは反対方向の入口や、住人の運転が許可されていない道路に使います。

9 restriction=no_exit 一方通行以外の道路の場合、その地点(via ロールのメンバーノード)から他の道路へ出ることが禁止されている場所に使われます。リレーションは 1つの from メンバーと複数の to メンバーを持てます。[2]

当然のことながら、上記の表を完全なものにすることができません。たとえば、スウェーデンの道路標識は白ではなく、黄色の背景を使っています。しかし、上記の標識でほとんどの国に対応したうえで restriction=xy の値を見つけやすいようにしなければいけません。

ブラジルではこのカテゴリのすべての標識(no_turn または only_turn)は対応する方向の矢印が付いた赤い円形の標識になっています。 only_turn の標識は斜めの棒がなく、no_turn 標識にはあります。(1-3bや5-7にも似ています)

進行方向制限には明確に 2つの種類の区分があります。義務的な制限と禁止的な制限があります。これらの異なる種類の制限は、制限の種類ごとに選択されなくてはいけません。

義務的な制限

この制限の種類は指定された方向のみに行くことを許可する設定をしています。via ポイントから他の場所に行くことはこのリレーションでは禁止されます。進行方向制限のリレーションは次の 2つのタグが付けられています:

type=restriction

restriction=only_right_turn

  • ウェイ a はロール 'from' です。
  • ウェイ b はロール 'to' です。
  • ノード N はロール 'via' です。

禁止的な制限

禁止制限のため、指定された方向に行くことを許可していない設定をしています。進行方向制限のリレーションは次のタグが付けられています:

type=restriction

restriction=no_left_turn

  • ウェイ a はロール 'from' です。
  • ウェイ b はロール 'to' です。
  • ノード N はロール 'via' です。

この制限では他の方向に向かうことは禁止されていません。交差点で他の進行方向制限がある場合は別々に定義する必要があります。

進行方向制限の via ポイントでウェイを通過しますが、そこにノードがありません。これは右の例のような場合のときです。このような進行方向制限は次のようなタグが設定されます:

type=restriction

restriction=no_right_turn

  • ウェイ a はロール 'from' です。
  • ウェイ b はロール 'via' です。
  • ウェイ c はロール 'to' です。

エディタ

進行方向制限を作成するには様々なエディタを使うことができます:

  • OpenStreetMap のウェブエディタである iD の進行方向制限を使うと、進行方向制限をしたい交差点のノードを選択することで追加できます。また、赤や緑のアイコンをクリックすることで、進行方向制限ありと制限なしを切り替えられたり、方向を選択できます。(the turn restriction feature on the Mapbox blog を参照してください)

エラー

進行方向制限の欠落やエラーは様々なエラー報告ツールによって報告できます。進行方向制限が適切に適用されているかどうかを確認するために、OSRMなどの異なるルーティングエンジンを使ってルートテストを行うことができます。

進行方向制限の欠落やエラーを探すために利用することができる様々なデータソースがあります。

  • Mapillary はクラウドソースの通りの風景写真を認識して交通標識を地図上に表示することができます。
  • ScoutSigns JOSM プラグイン は、JOSMのレイヤーとして識別できる交通標識を表示することができます。データは GPS Navigation & Maps アプリのカメラモードの機能から取得します。
  • ImproveOsm plugin ではおそらく進行方向制限が欠けているもの進行方向制限レイヤーに表示します。

ツール

  • http://map.comlu.com/ クリックされたウェイを強調し、ポップアップして進行方向制限のアイコン(オプション:警告とエラー)を示す地図
  • OSM Restriction Analyser 進行方向制限の標識ポストのアイコンをオーバーレイで示します。 ズームの例(2015/06/26時点で地図が表示されません)
  • Relation Check ローカルの .osm ファイルから進行方向制限を含むリレーションのグラフィカル表示を生成できます。
  • OSM Restriction Validator 必要がない進行方向制限や、通りへの進入をブロックする制約を表示します。
  • keepright 8種類の進行方向制限の間違いを検査します。全世界が対象。

関連項目

脚注

  1. Osm2mpで発生する未解決のバグのため、restriction:hgv=only_straight_on スタイルだと経路検索を間違うことがあります(restriction:hgv=only_straight_onrestriction=no_* であるかのように扱われてしまう)。その結果、回避策として type=restriction:hgv + restriction=only_straight_on を使うマッパーもいます。
  2. 1 2 3 4 「from」と「to」のメンバーは始点/終点に、「via」は経由点になくてはいけません。そうでなければ、分割します!
  3. 注意: 単一のノードが via に使われている場合よりも、1つまたは、それ以上の「ウェイ」を含む via ロールのある方が進行方向制限の処理が複雑になります。その結果、いくつかのルートソフトウェアではノードを含んだ via ロールのある進行方向制限しか動かないことがあります。これはソフトウェアが修正される必要がありますが、制限のタグ付けをしているときには via ロールに1つのノードを入れるということも検討してください。
  4. RVV 1990、標識 D7
  5. Uターンが許可されている交差点でタグ restriction=only_right_turn を使って誤ってUターンが禁止されてしまった場合は、代わりに restriction=no_straight_on と restriction=no_left_turn のリレーションを使う必要があります。
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